重症心身障害者施設で働く

職場となる重症心身障害者施設の詳細

重症心身障害者施設の詳細

重症心身障害者施設の中でも、18歳未満の児童を対象にサポートしている施設を「重症心身障害児事業所」といいます。

重症心身障害者施設の詳細

重症心身障害児事業所について

重症心身障害児事業所は、18歳未満の重症心身障害児に対して治療や療育、日常生活の支援を総合的に提供しています。単独で運営している事業所と、医療機関の病棟や付属機関として運営している事業所があります。事業所によっては短期入所も可能です。児童福祉法の改正により、重症心身障害児事業所は医療型障害児入所事業所に再編されました。しかし、障害福祉サービスの療養介護事業所を併設しているケースもあり、今でも重症心身障害児事業所と呼ばれることが多いようです。
重症心身障害児事業所は病院としての機能も持ちます。そのため、入所者に対して医師や看護師による医療の提供が可能です。入所者の成長や発達を支援するための介護や生活支援、機能訓練なども行うため、医師だけでなく各分野の専門家が在籍しています。

重症心身障害児事業所で提供すること

日常生活の支援の一環として食事・入浴・排泄などの介助を実施します。医療的ケアが必要な場合は医療従事者が対応します。生活支援に関わるスタッフが医療的ケアに携わることは原則としてありません。タイムスケジュールに沿ってケアを実施しますが、入所者の状態に応じて対応するため柔軟性が求められます。入所者の情緒を安定させるために、季節の行事などを取り入れて生活に変化をもたらす工夫も必要です。特に食事介助は入所者とコミュニケーションを取る絶好の機会なので、事業所によって多種多様な取り組みを行っています。
重症心身障害児事業所では療育活動も実施しています。活動内容に応じて理学療法士や作業療法士と連携しながら療育活動に取り組みます。情緒に対する働きかけ、身体機能の維持や向上などを行いますが、いずれもプロセスを重視した支援になるので入所者との信頼関係が求められます。
本人の日常生活や社会生活の支援だけでなく、家族や関係機関との連絡調整も行います。福祉サービスや補装具の利用に関する手続きなども重要な仕事です。入所者は入所期間中、家族と別々に暮らすことを余儀なくされます。そのことを念頭に置き、慎重にサポートしなければなりません。退所後の生活も考慮した上で、家族とのつながりを継続する取り組みが求められます。事業所内で親子が過ごせる場所を設けたり、重症心身障害児を持つ親同士で交流する機会を設けたりといった工夫が必要です。また、自分の子どもが持つ障害の受容に向けた働きかけや心理的サポートを行う機会も少なくありません。

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