重症心身障害児事業所の特徴

他の事業所と違う点

大きな特徴としてまず挙げられるのが、医療的ケアを提供できる点です。呼吸障害や摂食障害などを抱える児童にとって、医療的ケアは欠かせません。痰吸引や栄養摂取などの際に医療的ケアを施します。他の施設ではこういった医療的ケアは行われません。
入所者の特徴として挙げられるのが、生活支援を必要とする児童が多い点です。自力での歩行や食事、排泄が困難な児童も多いため、日常生活において必要な動作を常時サポートします。療育を目的とした一般的な事業所では、基本的な動作については自力で行える児童が多い傾向にあります。そのため、全面的なサポートが必要になる点が重症心身障害児事業所の特徴の1つです。
また、重症心身障害児事業所には様々な技術と知識を有したスタッフが在籍しています。重度の障害を抱える児童をサポートするためには幅広いスキルが求められます。身体的障害だけでなく、知的障害への対応も必須です。看護師をはじめとした各分野の専門知識を持ったスタッフが入所者を全面的に支援します。医師や看護師以外だと、理学療法士や児童指導員などが在籍しています。

重症心身障害児事業所のメリット

重症心身障害児事業所のメリットは、生活支援・療育活動・医療的ケアを同時に受けられる点です。一般的な事業所では療育活動をメインに提供しているため、リハビリテーションや日常生活のサポート、医療的ケアを受けられません。これでは、生活支援や医療的ケアを必要とする児童にとっては支援が不十分です。しかし、医療的ケアを目的に訪問看護などを利用した場合、今度は療育活動を受けられなくなってしまいます。医療的ケアを受けながら社会活動を維持できる点が、重症心身障害児事業所の最大のメリットです。

放課後デイサービスについて

放課後デイサービスには重症心身型と重症心身外の2種類があります。重症心身型であれば医療的ケアと療育活動を同時に受けることができます。重症心身外だと医療的ケアを受けられません。施設数については、重症心身外よりも重症心身型の方が少ないです。また、重症心身型は児童に対する全面的なサポートが必要なため、多くの人員や包括的なサービスの提供が求められます。
重症心身型と重症心身外の大きな違いは、在籍しているスタッフです。重症心身型の場合、重症心身外よりも専門的なケアを行える人材が多く在籍しています。重度の障害を持った児童を支援するためには、高度なスキルを有した人材が必要です。そのため、重症心身障害児事業所などの施設で働きたい看護師は専門的な知識と技術を学ばなければなりません。