重症心身障害者施設で働く

重症心身障害の原因

障害の症状と原因

重症心身障害とは何かについて、基本的な知識を紹介します。重症心身障害者施設で働きたい看護師は確認しておきましょう。

障害の症状と原因

重症心身障害とは

重症心身障害とは、重度の身体障害と知的障害が重複している障害のことを指します。移動や食事などの動作を自力で行うことが困難なため、施設に入所してサポートを受けます。特に重度の重症心身障害は「超重症心身障害」と呼ばれ、自力での呼吸が困難なため人工呼吸器の装着、飲み込む力がないので管を通した栄養摂取などが必要になります。
重症心身障害の原因は脳の障害です。出生前・出生時・新生児期のタイミングで起こる、先天性風疹症候群・脳奇形・染色体異常・分娩異常・低出生体重児・外因性障害・症候性障害などが原因になります。ただし、生後4週間以降に重症心身障害になるケースもあります。

普段の状態

自力で起き上がることが困難なのでほとんど寝たきりの姿勢になります。まひなどによって自分の意思で手足を動かせなくなると関節の可動範囲が狭くなり、拘縮します。また、極度に筋肉が緊張し、手足を動かすことも困難です。重症心身障害者の6割~7割はてんかんの症状もあります。これは、脳の障害によって一部の神経が活発に活動することによって引き起こされる病気です。誤嚥のリスクも高いので注意が必要です。口から取り込んだものや水分を食道に送ることが困難なので、誤って気管に入らないようにしなければなりません。誤嚥は肺炎や気管支炎の原因になります。気管切開をしている場合は、自力で痰を出すことができません。その場合は介助者が痰吸引を行います。

対応時のポイント

食事の際は介助用のお皿やスプーン、ハサミ、ミキサーなどが必要になります。噛む力や飲み込む力が弱く、通常の食事が食べられないケースも少なくありません。その場合は、細かく刻んだりとろみをつけたりといった対処が必要になります。移動の際は車いすなどを利用します。身体が大きい人や医療機器の持ち運びが必要な人の場合、介護者の負担が大きくなるので正しい介助方法を学ぶ必要があります。少しの距離や段差であっても転倒のリスクがあるなら介助をします。また、車いすやストレッチャーで移動する場合、施設内の通路やエレベーターは十分な広さを確保する必要があります。加えて、同乗する際は十分な配慮が求められます。
コミュニケーションについてですが、言語による表現が困難なので本人の声や身振り、目の動きなどから読み取る必要があります。それぞれ表現方法が異なるので、正しく読み取れるように日頃からコミュニケーションを取っておくことが大切です。

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