重症心身障害者施設で働く

重症心身障害者施設の現状

施設の現状

重症心身障害者施設の現状について紹介します。働くことに興味のある看護師は事前に確認しておきましょう。

施設の現状

施設数・病床数

ライフステージに応じた相談支援や保健医療、生活福祉、教育などを受ける権利はすべての人にあります。どれだけ重度の障害を抱えていても、喜びと共に豊かに生きることが保障されていなければなりません。そこで重要な役割を担うのが重症心身障害者施設です。入所型の重症心身障害者施設は、2017年時点で公立・民間法人施設が132ヶ所、病床数は13,579床確保されています。国立施設は1ヶ所で、病床数は60床です。独立行政法人国立病院機構は73ヶ所で、病床数は7,983床となっています。

在宅支援の重要性

重症心身障害者をサポートするためには、施設の利用だけでなく在宅支援との連携も重要になります。在宅支援の領域では、地域による医療・福祉分野の支援費制度が導入されています。加えて、特別支援学校卒業後の生活支援として、重症心身障害者通園事業を実施しています。これは、学校で獲得した社会性を持続するための取り組みです。

進められている取り組み

特別支援教育についてですが、2003年時点での文部科学省の最終報告によると、「障害のある児童1人ひとりの教育的ニーズに応じて適切な教育的支援を行う」という考えに基づき、様々な提言がされています。「個別の教育支援計画」「特別支援教育コーディネーター」「広域特別支援連携協議会」について言及しており、特に重要なのはそれぞれの状態やニーズに応じた本人が持つ可能性を最大限に引き出すための教育です。どれだけ重度の障害であっても、何かしらの能力が内に秘められています。その能力を発揮することにより、周囲の人が勇気や希望をもらえるケースも少なくありません。微々たる動作であっても本人が発しているサインを汲み取り潜在能力を引き出して、可能性を最大限に発揮するための教育が求められます。
また、重症心身障害者にとって、看護師をはじめとした医療従事者や福祉関係者とのネットワークは欠かせないものです。文部科学省と厚生労働省が密に連携し、体制作りに取り組んでいます。

重症心身障害者施設に求められること

重症心身障害者施設に求められるのは、入所者に対する支援の質の向上です。加えて、緊急受け入れの体制作りも必要です。在宅の場合、介助者の体調が悪くなるなどの理由によって生活が困難になるケースが考えられます。いざという時に受け入れられるように備えておかなければなりません。
また、専門的人材の育成も必要です。日頃から支援している方々の経験やノウハウを体制構築のために活かす取り組みが求められます。本人が望む生活を実現するためには地域資源との連携も必要です。

重症心身障害者施設で働きたい看護師におすすめの記事